運送会社が出しているドライバーの求人に応募すると、面接による選考が行われるケースがほとんどです。運送会社の面接におけるマナーや持ち物、服装などは一般的な業界と大差ありませんが、運送会社ならではの評価基準が存在することも珍しくありません。
運送会社でドライバーとして働きたいと考え求職活動を行う方の中には、面接で落ちてしまわないか不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
今回のコラムでは、運送会社の面接に落ちる人の特徴について詳しく解説していきます。面接時の正しいマナーや服装、必ず聞かれることなども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
運送会社の面接で落ちる人の特徴とは

運送会社でドライバ―の採用面接に落ちる人の特徴として、以下の5点が挙げられます。
免許停止中・5年以内に免許停止になった
ドライバーを雇用する運送会社は、交通違反の多い応募者に対して良い印象を持たないでしょう。採用したドライバーが事故や違反を繰り返し、業務に支障が出てしまうことを懸念するためです。
なお、ドライバーとして雇用される際には過去5年間の事故や違反歴、免許停止処分を記録した運転記録証明書の提出が義務付けられています。そのため、過去に起こした事故や違反を隠すことはできません。
免許停止中で運転できない方はもちろん、5年以内に免許停止になった経験がある方は面接で落ちる可能性が高くなります。
面接時のマナー・服装が悪かった
ドライバーを雇用する運送会社に対して、「マナーにはそれほど厳しくないのでは」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
配送ドライバーには、荷物を受け取るお客様と直接やり取りする機会が頻繁に存在します。ドライバーの印象は運送会社の評価に直結することから、応募者の言葉遣いや服装などを厳しくチェックする運送会社は多いです。
乱れた言葉遣いや清潔感のない、あるいはTPOにふさわしくない服装などは、面接官からの信頼を低下させてしまいます。
時間を守れなかった
配送ドライバーが担当する案件の中には時間指定が発生するものも多く、時間を守ることを常に意識しながら業務にあたらなければなりません。天候不良や交通渋滞によりやむを得ず配達が遅れてしまうケースでは、運送会社やお客様に状況を報告する責任が伴います。
採用前の大切な面接に遅れる、あるいは遅刻する旨の連絡を怠ると、遅配を繰り返したり、連絡を怠ったりする可能性が高いという評価に繋がりかねません。面接が始まる直前に到着するのも、計画的に行動できないのではという懸念を生みかねないため避けるべきです。
事前に面接が行われる場所や自宅からのアクセスなどを確認しておき、遅くとも開始時間5分前には会場に到着できるよう、余裕を持って行動することをおすすめします。
志望動機の印象が弱かった
あらゆる業界の採用面接において必ずと言って良いほど尋ねられる志望動機。運送会社にとっても、応募者の志望度の高さや自社への適性を知る重要なポイントの1つです。
- 車を運転することが好きである
- 稼げそうだと感じた
- 福利厚生が充実している
ありきたり、あるいは熱意が感じられない上記のような志望動機を伝えてしまうと、面接に落ちてしまう可能性が高くなるでしょう。仕事に前向きに取り組んでもらえないのではないか、すぐに辞めてしまうのではないか、といった疑念を抱かれやすいためです。
履歴書の内容に嘘があった
履歴書は応募者の経歴やスキルを理解する重要な資料。内容に嘘が発覚すると運送会社からの信頼は完全に失われ、面接で落ちる決め手となってしまう可能性が高いです。
なお、履歴書でついた嘘を貫き通すことは難しいと考えるべきでしょう。採用後も運転記録証明書や源泉徴収票といった書類の提出時にばれる可能性が高い他、面接で履歴書とつじつまの合わない内容を意図せず話してしまうケースも考えられるためです。
無理に自分を良く見せようとして、運送会社からの印象が悪くなってしまっては本末転倒です。履歴書には事実を正直に記載しておくのが安心だと言えるでしょう。
運送会社の面接で合格するコツ
ここからは、運送会社の面接で合格するために意識したいコツを紹介していきます。
明るくはっきりと話す
不愛想なドライバーよりも明るく笑顔ではきはきと話せる方の方が、お客様により良い印象を与えられるでしょう。面接でも同様で、挨拶や質問に対する受け答えで明るくはきはきと話すことを心掛ければ、担当者からの印象をぐっとアップさせられます。
業界の知識を深める・実務経験を積む
運送会社が確実に業務を遂行してくれるドライバーを重宝する以上、未経験の方は経験者に比べてどうしても不利になりがち。可能であれば、希望の運送会社に応募する前に実務経験を積めると良いです。
加えて、あらかじめ運送業界についての理解を深めておくことをおすすめします。業界の現状や課題を踏まえて、応募する会社の強みと繋げられれば、志望動機や質問への回答により深みを出すことができるでしょう。
運送会社の面接で好印象を与える志望動機のポイント

先述したように、志望動機はドライバーの意欲や適性の判断材料の1つ。面接担当者に志望度の高さを伝えるため、以下のポイントを押さえた上でまとめると良いです。
- アピールポイントは漏れなく記載する
- 応募先の運送会社ならではの内容を盛り込む
- 待遇面への言及は避ける
- 前職への不満は記載しない
特に意識したいのが、応募先の企業だからこそ志望する理由を記載すること。待遇や報酬といった独自性のない動機は、「すぐに他社へ転職してしまうのでは」という懸念を与えてしまう可能性が考えられるためです。
応募したい運送会社のホームページや求人情報などから情報を集めて理念や強みを押さえ、自身が応募先に合った人材であることをアピールしましょう。
なお、本サイトでは、軽貨物ドライバーの志望動機を記載する際の注意点や例文などを以下の記事でさらに詳しくまとめています。ぜひ合わせてチェックしてみてください。
運送会社の面接で必ず聞かれることとは
面接で質問されることは運送会社によって異なりますが、以下のような質問は必ずと言っていいほど聞かれる機会が多いです。
- 事故歴
- 志望動機
- ドライバー業の経験
- 自分の短所と長所
- 前の会社を退職した理由
- 飲酒の頻度・量
- 運送業界で働こうと思ったきっかけ
全ての質問を事前に予測することは難しいですが、こうした聞かれる可能性の高い質問だけでも答えを用意しておくと、安心して面接本番に臨めます。
運送会社の面接で好印象を与える逆質問の例
運送会社に限らず、ほとんどの面接では最後に逆質問の機会が与えられます。意欲の高さをアピールするためにも、質問をいくつか用意しておくのがベターです。例としては以下が挙げられます。
- 入社してすぐはどのような業務を任せられますか
- ドライバーの1日の流れを教えてください
- 入社までに身につけておくべきスキルは何ですか
- 現在の御社の課題とそれに対する解決策を教えてください
- 配送品質向上のために取り組んでいることはありますか
応募先の企業で働くことに前向きな姿勢を見せられるかどうかを意識できると良いでしょう。注意点として、待遇や福利厚生に言及したり、調べればわかる内容(HPや求人サイトに掲載されている情報)を尋ねたりするのは避けてください。
運送会社の体制や稼働環境を見極めるため、企業が課題に感じているポイントや業務の質を高めるための取り組みなどを尋ねるのもおすすめです。
真摯な回答が得られない場合は、長時間稼働を強いたり、不当な違約金の支払いを命じたりとドライバーの待遇が著しく悪い可能性が高いため要注意だと言えます。
運送会社の面接に臨む準備

ここからは、運送会社の面接に臨む際に準備しておきたいことをまとめていきます。
持ち物
運送会社の面接に臨む上で基本的な持ち物として挙げられるのは、以下の通りです。
- 筆記用具
- メモ帳
- 履歴書・職務経歴書
- 印鑑
- 免許証
- 運転記録証明書
- A4サイズのクリアファイル
さらに、折り畳み傘を持ち歩く、女性の方であれば予備のストッキングを用意するなど、天候の変化や不測の事態に万全の備えを期しておきましょう。濡れている、汚れているといった状態で面接に臨むことがないよう、臨機応変に対応することが重要です。
服装
動きやすい格好で勤務するドライバーを採用する面接はラフな服装で臨んでも良いのでは、と考える方もいるかもしれませんが、スーツを着用するのが確実です。
中にはスーツでなくても良いと言われるケースもありますが、そういった場合もジャケットを羽織ったり、落ち着いた色味の服を選んだりするのが良いでしょう。
ジーパンや短パン、サンダル、作業着といった服装は、TPOに合わせられない人物と判断されかねないためNGです。
運送会社の面接の準備は入念に
運送会社の面接に合格するためには、正しいマナーや服装、志望度の高さが伝わる志望理由や逆質問といった今回ご紹介した要素が重要なポイントとなります。本記事を参考にしながら入念に準備を整え、採用したいと思わせる言動や服装を心掛けてみてください。
面接は運送会社が応募者を吟味する場であると同時に、応募者が運送会社を見極める場でもあります。応募先の企業が抱えている課題や面接官の態度から、自身がやりがいを持って働けるかどうかを判断するのも大切です。
この記事の執筆者

軽カモツネット編集部
軽カモツネットは株式会社ギオンデリバリーサービスが運営する、軽貨物ドライバー向けの情報発信メディアです。運営元のギオンデリバリーサービスは2013年の設立以来、神奈川県相模原市を中心に業務委託ドライバーの開業支援や宅配サービスの運営など多岐にわたるサポートを行ってきました。拠点数は全国40カ所以上、約2,000名のドライバーが、日々安全で効率的な配送をご提供しています。軽カモツネットでは、軽貨物ドライバーの皆様のニーズに応え信頼される情報を発信してまいります。