業務委託ドライバーになるにはまず車を用意する必要がありますが、それにはいくつかの選択肢がありますよね。普通に購入する方もいれば、レンタルする方もいるでしょう。
しかし、これから初めて業務委託ドライバーになるという方は最も賢い選択はどれなのか、判断することが難しいでしょう。それぞれ費用相場もバラバラということで、今回のコラムで詳しく解説していきます。
目次
業務委託ドライバーは配達車両が必須!
当然のことながら、業務委託ドライバーになるには配達用の車が必須です。バイクや自転車を使って配達する方も多いですが、一般的に業務委託ドライバーといえば、軽貨物車を使って配達する人を指します。
そして最初にかかる初期費用においても、継続的にかかるランニングコストにおいても、車は大きな割合を占めます。業務委託ドライバーにとって非常に重要な選択なので、慎重に検討してください。
軽貨物車を用意する際の選択肢
それでは軽貨物車を用意する際、どのような選択肢があるのかを解説します。それぞれどういった状況でおすすめなのかも合わせてお伝えするので、しっかりチェックしておいてください。
- 自分で購入する
- カーリースを利用する
- 事業所でレンタルする
自分で購入する
1つ目の選択肢として挙げられるのは、通常通り自分で購入するということです。他の選択肢もあれど、まずはこれを検討することになるでしょう。
というのも、業務委託ドライバーとして長く働いていく予定なのであれば、結局普通に購入するのがお得です。また、自分の車になるので仕事はもちろん、プライベートで使用しても何の問題もありません。
一般的に軽貨物車として使用されるのは軽バンですが、他の車種と比べて安価とはいえ、決して安い買い物ではありません。一括で支払うのが難しく、ローンを組んで購入する方も多いでしょう。
リースを利用する
負担を分散させたいという場合はリースを利用するというのも手です。ローンと同様、初期費用を抑えることができるので、開業のハードルを大きく下げることができるでしょう。
ちなみにリースの大きな特徴は、車両の購入費用のほか、各種税金や法定点検費用も料金に含まれているということです。そのため、支払う額はローンより高くなりますが、毎年支払う自動車税や車検などの費用のことを考えると、総合的に安く済む傾向にあります。
事業所でレンタルする
近年は業務委託ドライバーでも事業所の車両をレンタルさせてもらえるケースが増えています。こちらも自分で車両購入費用を用意することが難しい場合などにおすすめです。
基本的にはきちんと料金を支払ってレンタルすることになりますが、中には無料で使わせてもらえるケースも。事業所によって料金形態や金額は全く異なるので、もし好条件の事業所があればそこでレンタルするのも良いでしょう。
ローンとリースはどっちがおすすめ?
ローンとリースはどちらも初期費用を抑える上でおすすめの選択肢ですが、具体的にどちらがおすすめなのかを解説します。
- ローン:金融機関からお金を借りて、分割払いで購入する制度
- リース:車の所有者はあくまでリース会社であり、長期間有償で借りられる制度
最も大きな違いは車の所有者で、リースに税金や法定点検の費用が含まれているのは、それらの支払義務が生じる本来の所有者がリース会社であるためです。
- 総額が安くなる
- 車に関するコストの負担が一定になる
- 審査に通りやすい
ローンと比較したリースのメリットは上記の通りですが、その分制約も多いです。
例えば、月々の走行距離に制限が設けられていたり、配達に使用する業務用として購入した場合はプライベートでの使用が認められないケースがあります。
軽貨物ドライバーにおすすめの車種
ちなみに軽貨物ドライバーが使用する車は何種類かあります。どれを選ぶかによって、実際の業務内容が変わってくる可能性があるので、一通り把握しておきましょう。
- 軽バン
- 軽トラ・幌車
- 冷蔵冷凍車
軽バン
業務委託ドライバーのほとんどが使用しているのが軽バンです。業務委託に限らず、街中で走っている軽貨物車といえば軽バンをイメージする人が多いのではないでしょうか。
小回りが利くコンパクトボディですが、業務委託ドライバーとして活用するのであれば積載量も十分。コストパフォーマンスも高く、基本的には軽バンを選ぶのがおすすめです。
ちなみに「軽バンよりハイエースのような普通貨物車の方が効率的に配達できるのでは?」という疑問を抱かれる方も多いでしょう。
しかし、そもそも運送会社が普通貨物車に乗っている個人事業主に仕事を依頼するのは禁止されています。もし既に普通貨物車を持っていても、それを使って業務委託ドライバーになることはできません。
軽トラ・幌車
幌タイプの軽トラを使用する業務委託ドライバーも少なくありません。
通常、軽バンが4人乗りであることに対し、軽トラは2人乗り。その分、荷台が非常に広くなっており、たくさん荷物を載せることができます。家具のような大型の荷物を積み込みやすいというのも魅力の1つでしょう。
ただ、あくまで荷台を覆っているのは幌なので、きちんと屋根のある軽バンと比較すると耐久性が劣ります。天気に関係なく、安全に荷物を運びたいということであれば、軽バンの方をおすすめします。
冷蔵冷凍車
最後は冷蔵冷凍車です。名前からわかる通り、生鮮食品などを運ぶ際に必要なタイプですね。
一見すると、冷蔵庫・冷凍庫を積んだ軽トラなのですが、多くの場合は通常のエンジンと別に冷房用のエンジンが搭載されています。そのため、一般的な軽トラとは根本的な仕様が異なります。
軽貨物車を購入する際の費用相場
実際に軽貨物車を購入する際の費用相場について解説します。ただ、新車と中古とでは金額が大きく異なるので、それぞれに分けてお伝えします。
新車の軽貨物車を購入する際の費用相場
まずは新車についてです。
主要な国産メーカーであればいずれも軽貨物車を販売していますが、平均相場はおおよそ150万〜200万円。いくら軽貨物といえど、やはり新車となるとそれなりの金額になります。
ちなみに軽バン1つとっても、各メーカーで様々なグレードやオプションがあります。極力費用を抑えれば100万円台前半に抑えることができますが、何かと装備を整えると200万円を超えてしまうことも十分考えられます。
中古の軽貨物車を購入する際の費用相場
次に中古に関してですが、これに関しては本当にピンキリです。まだ新しい車体であれば新車価格とほとんど変わらない一方、年式が古く状態も悪いものだと、ほぼ販売店の手数料のみで購入できる場合もあります。
とはいえ、あまりに安いものを購入しても寿命が短いため、業務委託ドライバーとして長く活動していくのであれば、100万円前後の車体が良いでしょう。
軽貨物車をレンタルする際の費用相場
最後にレンタルする場合の費用相場もお伝えしていきます。
このコラムの前半でもお伝えした通り、中には無料で車をレンタルできる事業所もありますが、基本は有料。フルタイムで勤めた場合の1ヶ月のレンタル料は数千〜数万円ほどと、かなり幅が広くなっています。
そのため、レンタルを検討する際は複数の事業所を比較することが望ましいですが、レンタル料が安くても、整備費用などもろもろのコストは自己負担ということもあるので注意してください。
まずはレンタルの可不可を調べよう
- 自分で購入する
- リースを活用する
- 事業所でレンタルする
配達用の車を手配する場合、基本的には上記した3つの選択肢があり、解説したようにそれぞれメリット・デメリットが異なります。
そのため、自分が予定している働き方に合った選択をする必要がありますが、まずは近くの事業所がレンタルを行っているか、行っているとしたらいくらで行っているかを調べてみてはいかがでしょうか。
もし無料、あるいは安くレンタルできるようであれば、わざわざ新しく購入する必要はないかもしれません。仮に長く業務委託ドライバーを続ける予定でも、もろもろの維持費を考えるとレンタルの方が安く済むことは十分に考えられます。
この記事の執筆者
軽カモツネット編集部
軽カモツネットは株式会社ギオンデリバリーサービスが運営する、軽貨物ドライバー向けの情報発信メディアです。運営元のギオンデリバリーサービスは2013年の設立以来、神奈川県相模原市を中心に業務委託ドライバーの開業支援や宅配サービスの運営など多岐にわたるサポートを行ってきました。拠点数は全国40カ所以上、約2,000名のドライバーが、日々安全で効率的な配送をご提供しています。軽カモツネットでは、軽貨物ドライバーの皆様のニーズに応え信頼される情報を発信してまいります。