お客様の大切な荷物を無事に届けるのが軽貨物ドライバーの仕事ですが、どれだけ気を付けていても、荷物を破損してしまったり、汚してしまうこともあります。毎日たくさんの荷物を運んでいれば、そういったミスをしてしまうのも仕方ないでしょう。
稀にもともと荷物が汚れていたということもありますが、そのようなことが起こった場合、誰が責任を取ることになるのでしょうか。これから軽貨物ドライバーになる方にはぜひ覚えておいてもらいたい内容なので、今回のコラムで詳しく解説していきます。
目次
荷物が破損・汚れてしまうことは珍しくない
冒頭でもお伝えした通り、何十、何百という荷物を運んでいると、荷物が破損、あるいは汚れてしまうことは珍しくありません。配達中に誤って汚してしまったということもあれば、もともと汚れていたということも考えられます。
仮に荷物がひどく汚れていた場合、どのように対処するかは汚れ具合やお客様の要望によっても異なりますが、大切なのはいかにそういったミスをしないかということです。
常に丁寧な仕事を心掛ければドライバーとしての評価も上がるため、自分のためにも気を付けておくべきと理解しておきましょう。
荷物の破損・汚れがドライバーの責任になることもある
もし荷物の中身が壊れていたり、汚れていたりした場合、誰の責任になるのかというのも知っておくべきでしょう。
ただ、この問題に関してはケースバイケース。具体的にどのような損害が出ていたか、どのような経路で損害が出たかによって異なりますが、荷物を配送する以前から汚れていたという可能性も十分あります。
しかし、実際は配達したドライバーが責任を問われることが多いです。そうでないケースももちろんあるものの、荷物の受取人や送り主に謝罪しなければいけないシーンも出てくるでしょう。
荷物の破損・汚れを防ぐポイント
前述した内容を踏まえ、やはりドライバーは細心の注意を払って荷物を配達することが重要です。そのため、まずは無理に焦ることなく、一つひとつの工程に丁寧に取り組むことを心掛けましょう。
加えて、以下のような点に気を付ければ、配送時にミスをしてしまう可能性を大幅に下げることができます。
- 積み込み時に荷物をチェックする
- 無理な積み方をしない
- 定期的に荷物をならす
- 雨天時にはビニールで包んで運ぶ
- 重い荷物は台車を活用する
- 配送車の清掃をする
- 貨物保険に加入しておく
積み込み時に荷物をチェックする
軽貨物ドライバーの業務は配送車に荷物を積み込むところから始まります。この際、できるだけ積み込む荷物に異常がないかをチェックしておきましょう。
もし事前に破損や汚れを発見できれば、トラブルの早期発見になる上、少なくともドライバーが理不尽に責任を問われることはなくなります。
ただ、時間をかけすぎてもタイムロスになってしまうため、可能な範囲で努めましょう。
無理な積み方をしない
積み込み方も重要です。丸1日かけて荷物を配送する場合は一度に100個以上の荷物を積み込むことになるため、荷物の上に別の荷物を積み上げていくことになります。
しかし、積み方が悪いとバランスを崩して落下してしまったり、上の荷物に押し潰されてしまうことになります。
基本的にサイズが大きく、重量がある荷物は下段に置いて、そのようなことがないようにしましょう。
定期的に荷物をならす
荷物を配達していくと、だんだん荷室の中が空いてきますよね。そのようなスペースを有効活用することも安定して荷物を運ぶ方法の1つなので、定期的に荷物をならすことを心掛けましょう。
雨天時にはビニールで包んで運ぶ
天気が悪い日は車から玄関先までのわずかな距離で荷物が水浸しになってしまうこともあります。もし梱包が粗雑だと、そのまま中身まで濡れてしまうことも。
そのため、雨天時には大きめのビニールを用意しておいて、それに包んで荷物を運ぶと良いでしょう。
置き配も同様で、雨が当たる場所に裸で荷物を置いておくとクレームに繋がる恐れがあるため、別途ビニールを用意するドライバーもいます。
重い荷物は台車を活用する
重い荷物を無理に運ぼうとした結果、落として中身が壊れてしまったというのも比較的よくあるケースです。そのような場合はほぼ間違いなくドライバーが責任を取ることになるため、無理せず台車を活用しましょう。
ただし、意味なく台車で荷物を運ぶのはタイムロスになってしまいます。最初は無理をする必要はありませんが、慣れてきたら台車を使うかどうかは適切に見極めてください。
配送車の清掃をする
意外に疎かにしてしまう人も多いですが、配送車、特に荷室の清掃は定期的に行うことをおすすめします。
普段は荷物に隠れて気付かないというだけで、いつの間にか荷室が汚れていたというのはよくあることです。それによって荷物まで汚れてしまう恐れもあるため、1ヶ月に1回程度はきれいに掃除するのが理想です。
貨物保険に加入しておく
最後に紹介する予防策は貨物保険に加入しておくということです。
もし破損してしまった荷物の中身が高額なものであった場合、多額の賠償金を請求されてしまう恐れがあります。あくまで任意ではありますが、そのような事態に備えて貨物保険に加入しておくのも良いでしょう。
軽貨物ドライバーが加入すべき貨物保険とは?
貨物保険についてもう少し詳しく解説しておきます。
一般的に、軽貨物ドライバーが加入を推奨される保険といえば自動車保険ですよね。物損事故や人身事故など、何が補償対象になるかは保険会社やプランによって異なりますが、長時間運転する軽貨物ドライバーは何らかの自動車保険に加入しておくべきです。
しかし、それらはあくまで交通事故で起こった損害しか補償してくれません。
対して、貨物保険は走行中を含め、積み込みや運び出しなど、基本的には業務中に荷物に起こった全ての損害が対象になります。そもそも委託元の企業が包括方式で加入している場合もありますが、そうでない場合はドライバー個人で加入することも検討してみると良いでしょう。
軽貨物の貨物保険の料金相場は?
そんな貨物保険ですが、保険料の相場はバラバラです。年間の保険料は安くて20万円程度、高いと50万円以上になる場合もあります。
とはいえ、もちろん保険料が高いほど補償内容や上限も充実します。手間はかかりますが、自身がどれほど稼働するかも踏まえ、各保険会社を比較してみましょう。
破損・汚れ以外の荷物に関するトラブル例
軽貨物ドライバーをしていると、破損や汚れ以外にも以下のような荷物のトラブルが発生することがあります。
- 盗難
- 水漏れ
- 火災
このようなトラブルが起こるリスクは決して高くはありませんが、中でも普段から気を付けておかなければならないのは盗難です。
「配達先までたった数十メートルしかないから」「1,2分程度で戻ってくるから」といった理由でキーをロックしないまま車を離れてしまうドライバーがいますが、そのわずかな時間で荷物を盗まれてしまう可能性も少なからずあります。
荷物を壊してしまうより対処が面倒になってしまう恐れが十分にあるため、くれぐれも注意してください。
自分なりの工夫で破損・汚れを防ごう
軽貨物ドライバーをしているとどうしても荷物を汚してしまったりすることがありますが、工夫次第でそのようなトラブルを減らすことは可能です。文中でも解説しましたが、以下のポイントを覚えて、ぜひ実行してみてください。
Point
・積み込み時に荷物をチェックする
・無理な積み方をしない
・定期的に荷物をならす
・雨天時にはビニールで包んで運ぶ
・重い荷物は台車を活用する
・配送車の清掃をする
・貨物保険に加入しておく
この記事の執筆者
軽カモツネット編集部
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