お客様の荷物を預かり指定された場所へ届ける配送ドライバーには、丁寧で正確な仕事ぶりが要求されます。届くと思っていた荷物が届かない、届いた荷物の中身が破損していたといった事態が発生してしまうと、クレームに繋がりかねません。

お客様からのクレームを防ぐために配送ドライバーが取り組むべき対策の1つとして、誤配を防ぐことが挙げられます。今回のコラムでは、配送ドライバーが誤配をなくす方法を詳しく解説していきます。

誤配が起こってしまう原因

運送業界でクレームやトラブルに繋がりかねない誤配が発生する要因として、大きく以下の2つが挙げられます。

  • 配送ドライバーの確認不足・早とちり
  • 倉庫から出荷する段階での作業ミス

配送ドライバーの確認不足・早とちり

誤配を引き起こす配送ドライバ―のミスは、確認不足や早とちりが原因となって起こることがほとんどです。

配送ドライバーには、安全であることを前提としながらも常にスピーディーな仕事ぶりが求められています。急いで業務に従事していると、住所や部屋番号を見間違えたまま十分な確認をせず配送してしまうことが多いようです。

特に、同じ地域に定期的に荷物を届けるドライバーの場合は要注意です。

配送回数を重ねるうちに土地勘がついたり、頻繁に訪れる配送先をある程度認識できるようになったりすると、自然と油断が生まれます。「この荷物は前回と同じ場所に届ければ良いだろう」などと早とちりしたまま誤った配送先に荷物を届けてしまうことも考えられます。

倉庫から出荷する段階での作業ミス

誤配の原因は必ずしも配送ドライバーにあるとは限りません。

配送する荷物を取りまとめる倉庫で、梱包して出荷する時点でミスが発生している可能性も。このとき、ドライバーが配送車に荷物を積み込む時には既に荷物の中身と届け先が一致していなかったということになります。

配送ドライバーによる誤配のよくあるケース

お伝えしているように、誤配の要因は配送ドライバーのミス以外にも考えられますが、今回は配送ドライバーのミスによって生じる誤配に注目。よくあるケースや防止する方法を詳しく紹介していきます。

配送ドライバーによる誤配が発生するケースにおいてよくあるミスとして、以下の3つが挙げられます。

  • 似た名前・地名への配送
  • 共用住宅の別部屋への荷物・不在票の投函
  • 宅配ボックスの暗証番号の記入ミス

似た名前・地名への配送

誤配の原因として特に多いのが、同じ地域で同姓同名や似た名前の配送先に荷物を届けてしまうことです。

先述したように、同じエリアを繰り返し訪れているドライバ―は荷物を届ける回数の多い配送先をある程度認識できるようになります。

慣れた地域への配送では、住所や名前の一部をちらっと見ただけで「いつも訪れている配送先ではないか」と自然と推測できてしまうこともあるでしょう。詳細を確認することなく早とちりしてしまうと、間違った場所に荷物を届けてしまうリスクが生じます。

共用住宅の別部屋への荷物・不在票の投函

共用住宅の一室に荷物を配送しようとして、別の部屋番号に投函してしまうケースも散見されます。共用住宅に設置されているポストや宅配ボックスの配置や部屋番号の並ぶ向きは建物によって異なるため、一軒家に配送する場合に比べて誤配が生じやすいです。

同じ共用住宅にある複数の部屋に荷物を届ける際は特に、配送先の部屋番号と投函する宅配ボックスやポストの部屋番号が合致しているかを念入りに確認することが求められます。

宅配ボックスの暗証番号の記入ミス

不在にしていたお客様が宅配ボックスを開けられないケースも、本来届くはずだった方の元へ荷物が届かないという意味では誤配に該当します。こうした事態が生じる原因の多くは、ドライバ―が設定した暗証番号とは異なる番号を不在票に記入してしまうことです。

また、そもそもドライバ―が宅配ボックスを正しく使えておらず、うまく暗証番号を設定できていなかったという場合も考えられます。

誤配によるドライバーへの影響

誤配が生じるとお客様が本来届くはずだった荷物を受け取れなくなり、場合によってはクレームが発生してしまいます。誤配に関して寄せられたクレームへの対応は、運送会社によって異なります。

配送ドライバ―や所属する運送会社の元にクレームが寄せられた場合、お客様への対応や荷物の後処理まで全て運送会社が担ってくれるところが大半です。しかし、ドライバ―にクレーム対応を担う、始末書を提出するといったことが求められる場合もあります。

誤配によるクレームは運送会社のイメージダウンに繋がりかねないということもあり、担当ドライバ―に対して何らかの処分が発生することも。具体的には、罰金のようなペナルティが課されるケースが考えられます。

個人で仕事をする業務委託ドライバーが誤配をすると、委託された業務を正しく遂行できなかったとしてドライバ―としての評価が下がってしまいます。誤配や遅配といったミスを繰り返すと、契約を解除されてしまうこともあるため注意が必要です。

誤配を防ぐ5つの方法

ここからは、お客様からの信頼を低下させかねない誤配を防ぐための方法をご紹介していきます。

  • 声出し確認を徹底する
  • お客様に住所や名前を確認してから荷物を渡す
  • 間違えやすい地名・名前はメモしておく
  • 宅配ボックスを正しく使う
  • 非対面で配送する際は写真を撮っておく

声出し確認を徹底する

お客様を呼び出したり宅配ボックスに荷物を投函したりする前には、配送先の住所や電話番号について声出し確認を徹底するようにしてください。伝票に記載されている情報を読み上げ、配送しようとしている場所と一致しているかどうかを確かめます。

急いでいる時は特に、伝票の文字を目視で確認するだけだと思い込みや読み間違いに気づきづらいです。目、耳、口を使うと脳が刺激され、自身のミスを発見できる確率が格段に上がります。

いちいち声に出すのは面倒に思えますが、誤配によりお客様からクレームが生じるリスクを考えれば、それほど大きな手間には感じられないはずです。

お客様に住所や名前を確認してから荷物を渡す

お客様に対面で荷物を届けられる場合は、以下の情報をお伝えすれば誤配を防ぐことが可能です。

  • ご依頼主の情報(どこの誰からの荷物か)
  • 荷物の中身・個数
  • お届け先の情報(どこの誰宛ての荷物か)

荷物を渡す前にこうした情報に相違がないかを確かめることで、誤配のリスクを未然に防げます。はきはきとした明るい声で対応すれば、お客様からの心証も良いでしょう。

毎回対面で荷物を渡せるのが理想ですが、昨今は感染症の流行をきっかけの1つとして、置き配や宅配ボックスへの投函が広く導入されるようになりました。お客様と対面することなく配送する機会の増加に伴い、より一層正確な仕事ぶりが求められると言えます。

間違えやすい地名・名前はメモしておく

似た地名や名前、同姓同名のお客様がいるエリアでは、特に誤配が発生しやすくなります。間違えやすい住所や名前をメモに残しておくと、配送する際に見返すことでミスを防ぐことが可能です。

宅配ボックスを正しく使う

先述した通り、誤った使い方で宅配ボックスに投函してしまうことも誤配の原因の1つです。

宅配ボックスにはダイヤルで施錠するタイプやタッチパネル式のものなど様々な種類があり、荷物の入れ方や鍵のかけ方、暗証番号の設定方法などもそれぞれ異なります。

荷物を配送する共用住宅にどのタイプの宅配ボックスが設置されているかを事前に把握することは難しいことが多いです。そのため、一般的な宅配ボックスの操作方法を理解しておくと良いでしょう

非対面で配送する際は写真を撮っておく

置き配のような非対面の配送では、荷物を届けてからお客様が開封するまでに大きなタイムラグが発生し、誤配のリスクが高くなります。荷物を届ける際に宅配ボックスの番号と荷物の伝票を照らし合わせ、写真を撮っておくことをおすすめします。

というのも、撮影した写真を確認すれば配送ミスを見つけられる可能性が高くなるためです。加えて、お客様とトラブルが発生した際に撮影した写真が証拠となり、ドライバ―や運送会社を守ってくれることもあります。

常に丁寧な仕事を心掛けて誤配を防ごう

誤配がどの段階で発生したかどうかを特定するのは難しい場合が多いです。

しかし、ドライバ―を雇用したり業務を委託したりする運送会社の中には、誤配が発生した時点でドライバ―に責任を押し付けるところも少なくありません。ドライバ―としての評価に影響が生じたり、ペナルティが発生したりするケースも考えられるでしょう。

ドライバ―としての信頼を守るためにも、まずはドライバ―自身が丁寧で正確な仕事を心掛け、誤配の発生リスクを少しでも軽減させることが大切です。今回お伝えしたポイントを取り入れ、確認不足や早とちりを防いでみてください。

この記事の執筆者

軽貨物・業務委託ドライバーのための軽カモツネット

軽カモツネット編集部

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