急激に拡大するEC市場に合わせて、需要が高まっているのが配送ドライバー。特別なスキルが不要で、運転免許さえあれば始められることから、チャレンジしやすい仕事と人気を集めています。
しかし、車さえあれば滞りなく仕事ができるわけではありません。業務を効率的に遂行するためには、さまざまな備品の用意が必要です。
今回のコラムでは、車両以外の軽貨物ドライバーに必要不可欠なアイテムをご紹介していきます。
軽貨物ドライバーの必需品
まずは最低限、揃えておきたい必須アイテムを6点ご紹介します。
- 地図アプリ、ナビアプリ
- スマホスタンド
- 台車
- 軍手、ゴム手袋
- 文具
- ヘルメット、安全靴、車輪止め
地図アプリ、ナビアプリ
業務の多くを運転が占める軽貨物ドライバーに欠かせないのが、配達エリアの地図です。手軽に使用できる地図・ナビアプリをダウンロードしておきましょう。
注意したいのが地図アプリは万能ではないこと。例えば、周辺で案内がストップされてしまったり、同じような番地が続いていると案内できなかったりなど、細部を確認するときには住宅地図の方が向いていることがあります。
車載されているカーナビを活用するのも良いですが、情報のアップデートには毎回費用が必要です。走り慣れたエリアであれば、地図アプリだけでも事足りるかもしれません。
スマホスタンド
地図アプリを使用するのであれば、準備しておきたいのが車用のスマホスタンド。運転中の安全確保のためにも必ず準備しておきましょう。
台車
多くの軽貨物ドライバーが所有しているのが台車です。台車がなければ効率的な仕事は成立しないと言っても過言ではありません。
基本的に宅配で取り扱う荷物は、1人で運べるようなものがほとんどですが、中には持ち運びが困難なほど重い荷物も含まれます。荷物の重量だけではなく、マンションや団地など集合住宅に配達を行う場合、台車がなければ配達が終わるごとに車に荷物を取りに行かなければいけません。
台車があれば、体力を温存しながら効率よく配達することが可能です。
台車と一口に言ってもさまざまな種類がありますが、以下のポイントを押さえた商品を選んでください。
- 平台車ではなく手押し台車である
- 折りたたみできる
- 最大積載重量が200kg以上である
このほかにも、女性ドライバーであれば軽く取り扱いがしやすいか、住宅街中心の配達であれば騒音機能がついているかなど、目的に合わせたタイプを選びましょう。
数千円から数万円まで価格の幅は大きいですが、値段だけで選ぶのはNGです。使用頻度が高いからこそ、丈夫で機能性が高いものを選択してください。
軍手、ゴム手袋
荷物の積み下ろしや配達は、素手でももちろん可能ですが、重い荷物や大きい荷物を運んでいると滑って落としてしまうことも。滑り止めがついた軍手を活用すると、しっかり荷物をグリップしてくれるため、こうしたリスクも回避できます。
文具
配達先でサインをしてもらったり、伝票管理をしたりなど、軽貨物ドライバーには文具類も欠かせません。少なくとも以下の文房具は準備しておくと安心です。
- ボールペン
- カラーマーカー
- 目玉クリップ
- カッター
- テープ(ガムテープ、セロハンテープ、養生テープ)
特に伝票は、お客様の住所が書かれているだけではなく、配達証明にもなるため、紛失なんてもってのほか。目玉クリップでまとめ、車内でも散らからないように伝票ケースなどを準備しておくと良いでしょう。
ヘルメット、安全靴、車輪止め
軽貨物ドライバーの仕事は個人宅に配達する宅配だけではありません。倉庫や工事現場、物流センターなどに荷物を運ぶこともあります。
こうした現場では、ヘルメットや安全靴の着用が義務付けされていることもあり、ドライバーも例に漏れません。その場で借りるのは難しいので自分で用意しておくと良いでしょう。
軽貨物ドライバーなら持っておきたい!便利グッズ
次に、実際に運送業で働くドライバーがおすすめする便利グッズを紹介していきます。
- 伝票、領収書
- 荷台マット、保護カーペット
- 毛布、大き目の布
- コインケース
- 折りたたみコンテナ
- ワイヤレスヘッドセット
- 腰袋
- シガーソケット充電器、モバイルバッテリー
- 消臭スプレー
伝票、領収書
多くの委託会社では、専用の伝票や領収書が用意されています。ただし、全ての事業者が準備しているわけではないのが現実。
伝票類なしでの配達は、トラブルの元です。委託会社や契約先に確認をとり、必要であれば購入しておきましょう。
荷台マット、保護カーペット
ほこりや汚れが付いた段ボールを車に積んでしまうと、予想以上に荷室が汚れてしまうことも。荷台マットや保護カーペットを利用することで、車内が汚れてしまうのを防いでくれます。
また、その他にも、
- 摩擦が解消され荷物の出し入れがしやすくなる
- 一日に何度も膝をついても痛くない
- 荷物の保護になる
などの利点もあります。
毛布、大き目の布
精密機械や割れ物などを運ぶ場合は、毛布や大き目の布があると安心です。隙間を埋めておくことで、衝撃を和らげ商品の破損を防止してくれます。
コインケース
代引や着払いの荷物を取り扱うときに活躍してくれるのがコインケースです。お客様がぴったりの金額を用意してくれているとは限らないので、小銭を準備しておきましょう。
ただし、プライベートのお金と混合してしまわないように注意してください。締め作業が複雑になってしまいます。
折りたたみコンテナ
運ぶのは大きな段ボールだけではありません。片手サイズの段ボールや封筒なども多いです。こうした荷物は、荷物の間に入り込んでしまったり、運転している間にバラバラになってしまったりすることも日常茶飯事。
コンテナがあれば、まとめて収納できるため取り扱いに困ることも少なくなるでしょう。
ワイヤレスヘッドセット
委託先の企業から業務に関する連絡やお客様からの不在荷物の対応などで、運転中に電話がかかってくることが度々あります。
運転中の通話やスマホの操作には重い罰則が課せられており、1回の違反で免許停止になることも。
一日数十件の配達を行う中で、毎回路肩に止まって電話対応するのは現実的ではありません。Bluetooth対応のヘッドセットやイヤホンを準備しておくと、効率の良い配達が叶うでしょう。
腰袋・ウエストポーチ
配達先に持っていきたいものは荷物だけではありません。受取時に使うボールペン、もしもの時の不在表など、こまごまとしたものも必要です。腰袋やウエストポーチがあれば、こうした文具類も持ち歩けるため、配達のときに重宝します。
シガーソケット充電器、モバイルバッテリー
軽貨物ドライバーにとってスマートフォンは仕事道具の1つ。地図アプリをチェックや再配達の依頼、仕事の連絡を受けるため、スマートフォンがなければ仕事にならないと言っても良いでしょう。
業務中に充電切れなんてことにならないように、充電器も用意しておきましょう。
消臭スプレー
汗やたばこなど、配達員の臭いについて委託会社にクレームが入ることも。あまりにもクレームが多い配達員には、リピートをお願いすることも少なくなっていくのは当然の流れです。
消臭スプレーなどを活用して、臭いについてもしっかりケアしていきましょう。
もしものために準備しておきたい3アイテム
使用頻度は前述したアイテムより少ないですが、万が一の時に助けてくれるアイテムも合わせてご紹介していきます。
- ドライブレコーダー
- ブースターケーブル
- レインウエア
ドライブレコーダー
どれだけ気を付けていても確実に事故を起こさない方法はありません。万が一に備えて、ドライブレコーダーを設置しておくと良いでしょう。
ブースターケーブル、バッテリーコード
停車・発車を繰り返す、ハザードランプをよく使用するなど、配達業務はバッテリーに負荷がかかりやすく、車体トラブルを招いてしまうことも。
「バッテリーが上がった」「車が動かない」などのトラブルに備えて、ブースターケーブルを積んでおくと安心です。
レインウエア
軽貨物ドライバーに天気は関係ありません。雨の日にびしょ濡れになったまま配達を行っていると、荷物が濡れてしまう可能性がありますし、配達された側も気分が良いものではないでしょう。それだけではなく、体温低下に繋がり体調も崩してしまうでしょう。かといって荷物を持ちながら傘を指すのは現実的ではありません。
レインコートなどの雨具があれば、突然の雨でも問題なく対応できます。レインコート、レインブーツ、荷物にかける防水カバーなどを車に積んでおくのがおすすめです。
必需品を用意して効率の良い配達を目指そう
軽貨物ドライバーの必需品、あると便利な道具をご紹介しました。便利なアイテムをうまく活用できると、配達効率は上がり、ミスリスクも軽減していきます。
全て揃えるのは当然お金がかかりますが、どれもメリットが大きくおすすめのものばかり。プロとして先行投資してみるのはいかがでしょうか。
この記事の執筆者
軽カモツネット編集部
軽カモツネットは株式会社ギオンデリバリーサービスが運営する、軽貨物ドライバー向けの情報発信メディアです。運営元のギオンデリバリーサービスは2013年の設立以来、神奈川県相模原市を中心に業務委託ドライバーの開業支援や宅配サービスの運営など多岐にわたるサポートを行ってきました。拠点数は全国40カ所以上、約2,000名のドライバーが、日々安全で効率的な配送をご提供しています。軽カモツネットでは、軽貨物ドライバーの皆様のニーズに応え信頼される情報を発信してまいります。