業務委託ドライバーは決められた時間でいかに多くの荷物を届けられるかがとても重要です。毎日100個以上の荷物を滞りなく届けるには、それなりの技量が必要になるでしょう。
ところで、そんな業務委託ドライバーにもノルマがあるのか、ノルマを達成できないとペナルティが科せられるのかと気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回のコラムでは業務委託ドライバーのノルマやペナルティに関するリアルをお伝えしていくので、これから始めようか迷っている方は参考にしてみてください。
目次
業務委託ドライバーにノルマはある?
業務委託ドライバーは名前の通り、企業と「業務委託契約」を交わす関係であるため、雇用されているわけではありません。通常の正社員と比較すると、業務における制約は厳しくない傾向にあります。
ですが、そんな業務委託ドライバーにもノルマや目標が定められているケースは多いです。
というのも、業務委託ドライバーの多くは正社員と同様に固定報酬が支払われ、委託元の企業としても最低限の業務量をこなしてもらう必要があるためです。
ノルマを達成できないとペナルティが科せられる?
効率良く荷物を配るにもテクニックが必要ですが、やはり業務委託ドライバーを始めたばかりだとなかなか上手くいきません。ノルマや目標を達成できなくて悩んでいる方も少なくないというのが実情です。
そういった背景もあり、「もしノルマを達成できないと減報酬などのペナルティが科せられるのではないか?」という心配をされている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実際にペナルティの制度を設けている企業はほとんどないのでご安心ください。「絶対にあり得ない」と明言することはできませんが、真面目に業務に取り組んでいる限りは前述したようなペナルティが科せられるケースはほぼないでしょう。
契約が終了になる可能性がある
ノルマを達成できなくても報酬額を減らされるということはほぼありませんが、契約そのものが終了になる可能性は否定できません。
例えば、近年利用者が高まっているAmazonフレックスやピックゴーも、ノルマを達成できなかったり、業務上のミスが続くとアカウントが停止されることがあります。当然、新たに仕事を請けることができず、実質的な利用停止に該当します。
各エリアにある事業所と契約する一般的な業務委託ドライバーも同様で、定められた業務を時間内に終わらせられないということが続くと、契約が終了になることがあります。
1日の配達数の目安はどれくらい?
ちなみに一般的に業務委託ドライバーが1日でどれくらいの荷物を配送しているのかご存知でしょうか。
ある程度の経験を積んだ業務委託ドライバーであれば、1日で平均150個前後の荷物を届けることができます。もちろん、配達エリアによって住居の密度や道路の混雑状況が異なるため、一概に比較することは難しいですが、参考にしてみてください。
中には1日で200個以上の荷物を配送できるという業務委託ドライバーもいますが、やはり優秀なドライバーは企業からも重宝されます。長く契約してもらえることはもちろん、報酬も上がりやすいです。
確実にノルマを達成するコツは?
定められたノルマを達成するには、具体的にどのような点に気を付ければ良いのでしょうか。これらが全てではありませんが、熟練ドライバーの多くが心掛けていることを紹介していきます。
- 配達エリアの地理を覚える
- 配達ルートに沿って荷物を積み込む
- 時間指定の荷物はわかりやすく積み込む
- 定期的に積み込み方を変える
- 配達先の住所は正確に確認する
- 走行中はできるだけマップを見ない
- 運転以外の時間を短縮する
- 余計に台車を使わない
配達エリアの地理を覚える
基本中の基本ですが、まずは配達エリアの地理を覚えるところから始めましょう。
業務委託ドライバーは地図アプリにこれから届ける荷物の配達先を登録し、アプリが提示してくれるルートに沿って回っていくことになりますが、それも絶対ではありません。そのエリアに詳しくなるにつれて「こっちの道の方が早く辿り着ける」「先にこっちの荷物から届けていった方が運転しやすい」と気付くことも多くなるでしょう。
細かい技術を身に付けることも重要ですが、まずはエリア内の便利な抜け道や混雑しがちな道を覚えるようにしましょう。
配達ルートに沿って荷物を積み込む
実際に業務委託ドライバーをやってみて気付くのが、荷物の積み込み方の重要さです。
配達車の荷室には一度で数十個、あるいは100個以上の荷物を積み込むことになりますが、その中から毎回荷物を探し出すのは非常に効率が悪いです。荷物のサイズもそれぞれバラバラであるため、きちんと整理して積み込むことは必須でしょう。
業務に慣れてくると、自然と自分なりの積み方が確立されていきますが、基本的には配達ルートに沿って並べて、配達先が近い荷物同士は固めておくことをおすすめします。短縮できる時間は1回あたり数十秒程度かもしれませんが、何度も繰り返すことで大幅な時間短縮になります。
時間指定の荷物はわかりやすく積み込む
たくさんの荷物を配送していると、どうしても時間指定の荷物に振り回されてしまいます。せっかく配達先付近を通りかかったにも関わらず、時間指定であるために、その荷物だけ後回しにせざるを得ないということもあるでしょう。
それ自体は仕方ないと割り切るしかありませんが、時間指定の荷物をいかに無駄なく配送できるかが時間短縮のポイントです。やり方は人それぞれですが、例えば時間指定なしの荷物と切り離して荷室に置いておくと、頭の中も整理しやすくなります。
定期的に積み込み方を変える
荷物を配達していくにつれて荷室はどんどん空いていくことになりますよね。そのため、ある程度の数を運び切ったタイミングで、定期的に荷物の積み込み方を変更することをおすすめします。
何段にも積み上げていた荷物もその都度ならしていくことで、荷物を見つけやすくなるだけでなく、走行中でも安定し、荷物の破損などを防ぐことができます。
配達先の住所は正確に確認する
マップを頼りに荷物を配送する際に注意しなければいけないこととして、マップ上に表示されるピンが本来の住所と少しずれていることがあります。アプリによって性能も違いますが、少しのずれが大きなタイムロスを生むことも珍しくありません。
配達先付近で迷ってしまうのも非常にもったいないので、次の配達先に向かって出発する前に、正確な住所を確認する癖をつけましょう。いちいち確認するのは手間かもしれませんが、迷ってしまうリスクを考えると十分にやる価値があります。
走行中はできるだけマップを見ない
実際に配送業務をしていると、次の配達先までの距離が非常に短いということがよくあります。そのような場合、曲がる場所などを全て覚えてしまうのも時間短縮のコツです。
運転している最中にちらちらとマップを見るとどうしてもスピードが落ちてしまう上、事故のリスクも高まります。できる範囲で問題ないので、ある程度ルートを覚えた上で出発しましょう。
運転以外の時間を短縮する
- 荷物を探す
- 玄関先まで配達する
- 車まで戻る
ドライバーが車を降りてから再出発するまで、この3工程を挟むことになります。軽視されがちですが、この一つひとつの工程を急ぐことも時間を短縮する上では重要です。
例えば、アパートやマンションで階段を上り下りしなくてはいけない場合、ゆっくり歩くのと小走りで移動するのとではそれなりに違いが出ますよね。それを荷物の個数分繰り返すと、1日の中でも数十分以上の短縮になります。
余計に台車を使わない
重い荷物やたくさんの荷物を運ぶ際に便利な台車ですが、これもタイムロスの要因になりがちです。特に必要ないにも関わらず、いちいち車から出したり、台車を押しながら移動するのはもったいないです。
ただし、無理をしてまで使用を控える必要はありません。最優先は荷物を無事に届けることなので、台車を使わないと運べない場合はどんどん使用しましょう。
自分自身のためにもノルマ達成を目指そう
ノルマを達成することは業務委託ドライバーにとって重要です。仮にペナルティがないとしても、ノルマを達成できない、あるいは十分な量の業務をこなすことができないと、報酬も伸びず、契約を打ち切られるリスクも高まります。
そのため、自分自身のためにも様々な工夫を凝らしてノルマの達成を目指してみてください。
Point
・配達エリアの地理を覚える
・配達ルートに沿って荷物を積み込む
・時間指定の荷物はわかりやすく積み込む
・定期的に積み込み方を変える
・配達先の住所は正確に確認する
・走行中はできるだけマップを見ない
・運転以外の時間を短縮する
・余計に台車を使わない
効率的に配達するポイントは以下の通りです。他にもぜひ自分なりのテクニックを身に付けて、一流の業務委託ドライバーを目指してみてください。
この記事の執筆者
軽カモツネット編集部
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