自動車免許と配送車さえあれば、誰でも簡単に始められる軽貨物ドライバー。個人宅へ荷物を届ける宅配や、あらかじめ配送先が決められているルート配送など、担当する案件には様々な種類があります。

中でも特に注目を集めているのが、単発で発生するスポット便と呼ばれる案件です。稼働時間が比較的短いにも関わらず高単価である場合が多く、軽貨物ドライバーからの人気が非常に高くなっています。

今回のコラムでは、そんな軽貨物のスポット便について詳しく解説します。本当に稼げるのか、案件を請けるコツなども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

【軽貨物】スポット便とは

冒頭でもお伝えした通り、スポット便は単発で依頼される案件のことです。当日に急遽発生することが多く、「〇〇で荷物を受け取って△時までに□□へ配送してほしい」というように、日時や配送先をピンポイントで指定されます

スポット便を利用する業種は非常に幅広く、配送する荷物は医薬品や衣類、食品など様々です。贈答用の観葉植物のような軽々運べる荷物を担当することもあれば、建築機材のような重い荷物を運ばなければならないケースもあります。

スポット便は小口での依頼が多いこともあり、時間の融通や小回りが利く軽貨物ドライバーは依頼先として重宝されやすいです。他の案件に比べて高単価な傾向にあるため、ドライバ―にとっては効率良く稼ぐチャンスだと言えます。

軽貨物ドライバ―がスポット便を請けるメリット

軽貨物ドライバーがスポット便の案件を請けるメリットとして、主に以下の4つが挙げられます。

  • 単価の高い案件が多い
  • 案件ごとに人間関係を刷新できる
  • 自由な働き方を取り入れられる
  • 幅広い地域に出向くことができる

単価の高い案件が多い

お伝えしているように、スポット便の案件は当日に突然発生する緊急性の高いものがほとんど。時間厳守を徹底しなければならず失敗が許されないケースも多く、他の案件に比べて配送単価がかなり高めに設定されることが一般的です。

配送距離が長いほど単価は上がる傾向にあるため、長距離運転が苦にならない方は特に、効率良く収入を確保しやすいです。スポット便の実績を積んで委託元や荷主からの信頼度を上げられれば、より単価の高い案件を任せてもらえることも期待できます。

案件ごとに人間関係を刷新できる

正社員やアルバイトとして活動するドライバ―の場合、上司や同僚との人間関係に悩まされることもしばしば。同じ案件を継続的に受けていると、荷主との関係が悪化して配送するたびに気まずい思いをする、といったことも起こり得ます。

スポット便の場合は1回きりの案件がほとんどであり、荷物を届けるお客様も都度変わります。荷主に対して苦手意識を抱いても、再びコミュニケーションを取る必要がないことを気楽に感じる方も少なくないようです。

自由な働き方を取り入れられる

不特定の日時に発生するスポット便の案件には「毎週〇曜日の〇〜〇時は必ず稼働しなければならない」といった時間の制約がありません。自身の都合が良いタイミングで、仕事を請けることができます

  • ドライバ―以外の本業や子育て・家事の合間に副業として案件を請ける
  • 既に請けている固定の案件に加え、空き時間に追加で稼働する

そのため、上記のように柔軟な働き方を取り入れることが可能です。配送する荷物や距離も都度異なるため、様々な案件に挑戦することでドライバーとしての経験を積み、スキルアップに繋げるのも良いでしょう。

幅広い地域に出向くことができる

依頼主や配送先が毎回異なるスポット便の中には、県をまたいだ長距離の移動が求められる案件もあります

慣れない場所で長時間の運転を強いられるケースも考えられる一方で、業務をやりきってしまえば配送先の地元で美味しいものを食べる、温泉に入るといったことも可能です。

毎回新鮮な気持ちで案件に臨み、初めて出向く配送先ならではの経験ができることも、スポット便の魅力の1つだと言えます。

軽貨物ドライバ―がスポット便を請けるデメリット

上記のようなメリットのある軽貨物のスポット便ですが、以下のようなデメリットがある点に留意しなければなりません。

  • 思うように案件が請けられないこともある
  • 緊急性が高く失敗しづらい
  • スポット便だけでは収入が安定しづらい

思うように案件が請けられないこともある

スポット便は突発的に発生するだけでなく、配送先や荷物の量によってドライバ―の拘束時間が異なります。長時間の移動が必要な案件では、半日以上拘束されることも珍しくありません。そのため、時間の都合が合わず、思うように案件を請けられないケースも多いです。

本業や子育てなどが忙しくスケジュールの融通が利きづらい方は特に、頻繁に案件を請けることは難しいでしょう。魅力的な案件を依頼されたにも関わらず、指定された時間に稼働できないために泣く泣く断らなければならないといった可能性も十分考えられます。

緊急性が高く失敗しづらい

緊急性の高いスポット便の案件を依頼する荷主は、指定した時間通り、確実に荷物を届けてもらえるのが当たり前だと考えているでしょう。スポット便の案件を請けるドライバ―には迅速で正確な仕事ぶりが求められます

万が一配送に遅れが生じたり、荷物に破損や過不足があったりすれば、荷主の期待を大きく裏切ることになってしまいます。クレームを受ける、ドライバ―としての信用を失うといった事態に繋がることもあるでしょう。

慣れない土地での業務、不測の事態への対応を冷静にこなせるベテランドライバ―であれば問題ありませんが、初心者ドライバ―の方にはハードルが高く感じられるかもしれません。

スポット便だけでは収入が安定しづらい

いくら単価が高いとはいえ、スポット便の案件だけを主な収入源とすることはおすすめできません。スポット便はいつ発生するかわからず、スケジュールを空けていても案件の依頼が来ないケースが考えられるためです。

ドライバ―業だけで生計を立てようと思うと、どうしても宅配や企業配、ルート配送といった別の案件を請ける必要があります。スポット便はあくまで収入を底上げするための補助的な手段として捉えるのが良いでしょう。

軽貨物のスポット便はどれくらい稼げる?

案件によって異なりますが、軽貨物ドライバーが担当するスポット便の収入は4~6時間近くの稼働で約10,000円と言われています。

スケジュールをうまく組み合わせれば、複数の案件を連続で請けて、1日で3~5万円近く稼ぐこともできます。ただ、突発的に不規則な時間帯に発生するスポット便の案件を1日に複数請けられるケースは非常に稀です

ガソリン代や駐車場代といった経費が差し引かれたり、高速代が支給されなかったりする案件もあることを考えると、やはりスポット便だけで稼ぐことは難しいと言えます。

軽貨物ドライバー必見!スポット便の案件の探し方

軽貨物ドライバーがスポット便の案件を探す手段として、以下の3つが挙げられます。

  • 委託元に紹介してもらう
  • 軽貨物のマッチングアプリを活用する
  • 求人サイトで検索する

掲載されている案件の単価や稼働時間の傾向はマッチングアプリや求人サイトによって異なります。そのため、始めは複数のアプリやサイトを見比べながら、自身に合った求人が多数掲載されている媒体を見つけることをおすすめします。

スポット便の実績を積んでドライバ―としての信頼を得ることも、案件が見つかりやすくなる方法の1つです。「このドライバ―なら確実に業務を遂行してくれる」と思ってもらえれば、委託元から割の良い案件を紹介してもらえる場合があります。

スポット便は副業として取り入れるのがおすすめ

軽貨物のスポット便は高単価であることが多い一方で、安定的に案件を請けることが難しい、正確な仕事ぶりが求められるといった点には留意しなければなりません。副業としてはかなり割が良いですが、スポット便だけで生計を立てていくのは難しいでしょう。

臨時で収入が必要なタイミングで単発で稼働する、案件数が増える繁忙期に積極的にスポット便を請けて収入を底上げするなど、隙間時間に効率良く稼働することをおすすめします。

この記事の執筆者

軽貨物・業務委託ドライバーのための軽カモツネット

軽カモツネット編集部

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